【ビデオ三脚】
「ALTA PRO 3VLT 235CV12」「ALTA PRO 3VL 264CV14」レビュー
みなさんこんにちは。星空写真家・タイムラプスクリエイターの成澤です。
私にとって、使わない撮影はないくらいに使用頻度の高いカメラアクセサリーが三脚です。長秒露出を多様する星空の撮影や、YouTubeなどでの動画撮影では欠かせません。
ビデオ三脚で最も難しいと感じるのは、大きさと強度のバランスです。もちろん大きな三脚を使用すれば撮影は安定しますが、持ち運びが難しくなる。軽量なものを選べば持ち運びは楽だが肝心の撮影時に強度が足りず、風ブレしてしまったりしてストレスを感じる。
公共交通機関での移動や海外などの遠方への遠征などでは、特に荷物の制限は厳しくなります。また、動画撮影においてはビデオ雲台も同様のことが言えます。ゆっくりとした動きでパンやティルトをかけることが多い動画撮影では、以前から小型で強度と滑らかな動きを実現する手頃なビデオ雲台はないだろうかと思っていました。
そんな中、VANGUARDから新型ビデオ三脚「ALTA PRO 3VLT 235CV12」「ALTA PRO 3VL 264CV14」が発売されました。CP+2024で展示されていた実物を見た時「これはいいかもしれない」と感じていた三脚・雲台のセットです。
さて、どんなビデオ三脚なのか、使用感も含めて紹介していきましょう。
VANGUARD三脚の型番の意味
最初にお伝えしたいのは、型番の意味です。その三脚がどんな仕様なのかが型番になっているので、VANGUARD三脚を選ぶ際に重要な知識になるでしょう。「ALTA PRO 3VLT 235CV12」を例に説明すると以下のようになります。
ALTA PRO 3VLT 235CV12
項目 | 値 | 説明 |
---|---|---|
シリーズ名 | ALTA PRO | 製品の基本シリーズ名。「ALTA PRO」は高性能三脚シリーズです。 |
世代 | 3 | シリーズの世代を表しています。数字が大きいほど新しい世代です。 |
ビデオ | V | 「V」はビデオ用に最適化されたモデルであることを示します。 |
レベリング | L | 「L」はレベリング機能付きモデルであることを示します。 |
トラベル | T | 「T」はトラベル用途に特化したモデルであることを示します。 |
脚径 | 23mm | 三脚の脚の直径を示しています。脚が太いほど安定性が向上します。 |
段数 | 5段 | 三脚の段数を示します。段数が多いほどコンパクトに収納可能です。 |
材質 | C(カーボン) | 「C」はカーボン製という意味で、軽量で耐久性に優れています。 |
雲台タイプ | VEO PV-12 | この三脚に付属する雲台のモデル名です。 |
ALTA PRO 3VL 264CV14
また、「ALTA PRO 3VL 264CV14」を例に説明すると以下のようになります。
項目 | 値 | 説明 |
---|---|---|
シリーズ名 | ALTA PRO | 製品の基本シリーズ名。「ALTA PRO」は高性能三脚シリーズです。 |
世代 | 3 | シリーズの世代を表しています。数字が大きいほど新しい世代です。 |
ビデオ | V | 「V」はビデオ用に最適化されたモデルであることを示します。 |
レベリング | L | 「L」はレベリング機能付きモデルであることを示します。 |
脚径 | 26mm | 三脚の脚の直径を示しています。脚が太いほど安定性が向上します。 |
段数 | 4段 | 三脚の段数を示します。段数が多いほどコンパクトに収納可能です。 |
材質 | C(カーボン) | 「C」はカーボン製という意味で、軽量で耐久性に優れています。 |
雲台タイプ | VEO PV-14 | この三脚に付属する雲台のモデル名です。 |
ちょっと複雑ですが、この型番の意味を覚えておくと良いでしょう。ここで特に重要なのは 「レベリング」「脚径」「段数」「材質」だと思います。各項目についても説明しました。
ビデオ三脚選びで重要視する項目
①「レベリング」
レベリングは水平を取りやすくするための機能です。この機能がない三脚は脚を伸縮させて水平をとる必要があります。レベリング搭載機種であれば、三脚の長さを変えずとも雲台・カメラの角度を変えることができます。
動画用途ではとても重要な機能ですが、写真撮影においても便利な機能です。
②「脚径」
パイプ径とも呼びます。この数値が大きいものであるほど、強度が増し重量も増えます。基本的な考え方として、25mm以下の径になってくるとトラベル三脚という軽量な部類としてカゴライズされるのでは無いかと思います。
今回紹介する2機種については、「ALTA PRO 3VLT 235CV12」がトラベル三脚で、「ALTA PRO 3VL 264CV14」はトラベル三脚ほどではないけど、比較的軽量な部類の三脚、と見てよいでしょう。
これらを最大まで足を伸ばした、最も細い部分を比較した画像がこちら。
もともとの脚径の太さが違いますが並べるとここまで太さに差があります。「ALTA PRO 3VLT 235CV12」はもっとも細い部分を収納すればそれなりに強度があるので、最大まで伸ばすのはいざという時だけ使用するようにしたほうが良いでしょう。
③「段数」
※画像は実際に使用した後のため、三脚が少し汚れていますがお許しください。
例えばこの数値が3だった場合、3段の三脚ということになりますが、3段の三脚は比較的長い三脚になり、収納力に欠けます。ただし、段数が短い分だけ脚を全部伸ばした時に細くなりにくいので強度が増します。
最近は持ち運びを気にしつつ強度もさほど落としたくないという理由から4段が人気があると思います。「ALTA PRO 3VL 264CV14」は4段の三脚なので、最も人気のあるスペックだと言えます。そして「ALTA PRO 3VLT 235CV12」は5段なのでさらにコンパクトに短い収納力に優れたモデルであるということがわかります。
試しに内寸が65cm程度のスーツケースに2つの三脚を入れてみました。
「ALTA PRO 3VL 264CV14」は雲台を外せばちょうどよくスーツケースに収まりました。「ALTA PRO 3VLT 235CV12」は雲台を90度傾ければスーツケースに収納できました。
もともとの足の太さも関係してきますが、段数が違えばこれだけ持ち運びや収納に影響があるということがわかります。また、重量は「ALTA PRO 3VL 264CV14」が1.77kg。「ALTA PRO 3VLT 235CV12」は1.32kgとなっています。
④「材質」
カーボンは「C」、アルミは「A」と型番についています。カーボンのほうが軽量かつ振動に強いという特徴があります。アルミのほうが優れている部分は、カーボンは横からの力に弱いという点です。
あまり無いことだとは思いますが、仮にカーボン三脚に横からの強い力がかかった場合、折れやすいということになるのですが、よほどのアクシデントがない限りはそのような状態になることはないでしょう。
また、寒冷地ではカーボンの方が冷えにくいということもありますので、私が俄然カーボン三脚がおすすめです。
雲台の差
重量が、PV-14(左)が543g、PV-12(右)が335gですが、数値以上にPV-14のほうが大きく感じますね。ビデオ雲台に求められるものとしては、縦・横に動かしたときの滑らかさです。
縦方向の動きに関してはどちらも良いと感じましたが、横方向の動きはPV-14のほうが自重がある分より滑らかに動くと感じました。しかしながら、軽量な部類のビデオ雲台としてはPV-12は非常に優秀です。どちらもこのサイズで非常に滑らかな動きを実現しています。
サイズが大きくなりやすいビデオ雲台は遠征では持ち運ぶのに苦労しましたが、これなら旅先の動画撮影でも重宝しそうです。
雲台を操作するときに使用するパーン棒は取り外しが可能。左右どちらにでも取り付けられるし、パーン棒が必要なければ外したまま使用しても問題ない。
三脚のみのサイズ感
左が「ALTA PRO 3VLT 235CV12」で右が「ALTA PRO 3VL 264CV14」。画像では伝わらないかもしれないですが、実際に持ってみると脚径が太い分「ALTA PRO 3VL 264CV14」のほうが一回り大きく感じます。
~その他のポイント~
「ALTA PRO 3VL 264CV14」のみだが、スパイクが内蔵している。
石突ゴムを回転させるとスパイクが出現する。岩の上などの固い地面の上ではより安定した設置ができます。足場の悪い岩場などでもスパイクが引っかかるような感じで設置できるので、よりタフな環境での使用を考慮されているようです。
雲台にはどちらもアルカスイス規格を採用しており、他社との互換性にも配慮しています。
付属のアルカスイスプレートには滑り止めのストッパーもついているのはありがたい。
雲台を取り付ける三脚のネジ穴はどちらも1/4規格を採用しているのは注意が必要かもしれない。
雲台側は3/8インチ規格を採用しており、1/4インチに変換するアダプターが付属している。
このアダプターを紛失してしまうと撮影現場で三脚が使用できなくなってしまうので気をつけよう。
脚の根元にあるレバーを引くと三脚を低く設置することができます。
どちらの三脚にも雲台の裏側に取り付けるフックが付属し、撮影用品が入ったカメラバッグなどをぶら下げることができます。
三脚の横には1/4インチねじが2つ備わっていて、追加のアクセサリーを取りつけることができます。
旅先の撮影で大量の夜露がつき、三脚がびちょびちょに濡れた日があったのですが、どちらの三脚も分解清掃ができます。
これができると三脚が長く使用できることにつながるので、私としては非常に重要なポイントです。脚を抜いた際にハメこむパーツがあるのですが、これがポロっと落ちやすいので失くさないようにしましょう。分解清掃は明るい場所で行うことをおすすめします。
実際に使用してみて
軽量さと三脚の強度を天秤にかけた場合、この2機種どちらかで悩むことが多いのではないでしょうか。この二つはちょうどその境界線にあたる機材だと思いました。
私はALTA SKY 53という大型のカメラバッグを使用しているのですが、このような大きめのカメラバッグを使用しているなら、2本とも取り付けて持ち運ぶことも問題ありません。
でもここまで大きくないバッグでの持ち運びでは2本同時は難しいです。
例として「VEO ADPTOR R48」という中型のシティユース向けのカメラバッグのサイドポケットに2つの三脚を取り付けて比較してみると、「ALTA PRO 3VL 264CV14」は少々釣り合っていないようにも感じました。
持ち運びはどのように行うのかも加味すると良いと思います。
どちらも軽量で小型な部類の三脚であるのは間違いありません。十分な強度と、スムーズな動きを実現した雲台とのセットは、より手軽に撮影に行きたいというニーズに充分に応えてくれるのではないかと思いました。
今回ご紹介した商品説明ページはこちらをご覧ください
ALTA PRO 3VLT 235CV12
軽量コンパクトながら高い柔軟性と操作性を備えたビデオ三脚で、日常の撮影からトラベル用途、ローアングル、マクロ撮影まで幅広いニーズに対応できます。
センターポールを排したスリムなデザインで重量を軽減し、折りたたむと直径60mmという持ち運びやすさが特徴です。また、パッド入り専用ケースも付属しており、移動が多いフォトグラファーやビデオグラファーに最適です。
付属の高精度ビデオ雲台「VEO PV-12」は、スプリングと油圧による滑らかな動きやカウンターバランス機能を搭載しており、アルカスイス互換で汎用性の高さもあります。
脚のみで高さ調整ができるためセットアップが簡単で、三脚キャノピーの1/4インチネジ穴にアクセサリーを取り付けることで撮影の自由度が広がります。持ち運びやすさ、撮影自由度、精度を兼ね備えたビデオ三脚です。
ALTA PRO 3VL 264CV14
プロフェッショナルな撮影ニーズに応えるために設計された、26mm脚径の高性能なビデオ三脚です。
付属する「VEO PV-14」ビデオ雲台は、CNC加工技術によって精密に製造され、滑らかな動きを実現。カメラ操作を安定させるカウンターバランス設計が施されており、撮影中のブレやズレを防ぎ、正確なフレーミングをサポートします。
最大耐荷重は8kg、最大伸長高は1565mmと、大型機材やさまざまな高さでの撮影にも対応可能です。また、開脚角度は3段階で調整可能で、撮影環境に合わせて柔軟に対応します。
サポートアームの取り付けが可能な1/4インチネジを備えており、追加アクセサリーを使って撮影の幅を広げられます。
格納式スチールスパイクを採用しているため、屋内外問わず安定した設置が可能で、パッド入りの専用ケースも付属しており、持ち運びにも便利です。
成澤広幸/星空写真家
成澤広幸 (Hiroyuki Narisawa)
基本情報
生年月日:1980年5月31日
出身地:北海道留萌市
現住所:埼玉県
職業
星空写真家
タイムラプスクリエイター
Youtuber
資格・所属
公益社団法人日本写真家協会 (JPS) 正会員
ニコンカレッジ講師
ニコンNPS会員
Black Magic Design「DaVinci Resolve」認定トレーナー
カメラ三脚を探しているなら
三脚は、撮影の安定性や精度を高めるために必要なアイテムです。サイズや重さ、耐荷重、設置のしやすさなど、購入するときに考慮すべきポイントが多くあります。
また、持ち運びのしやすさや、地形に応じた柔軟性も重要な要素です。撮影シーンやニーズに合わせて、最適な三脚を選ぶことが大切です。
「VANGUARD」の三脚は、トラベル向けの軽量でコンパクトなものから、重い機材にも耐えうる頑丈なものやビデオ撮影用まで、さまざまな種類を取り揃えています。 機能性とデザイン性に優れ、どんな撮影環境にも対応できるように設計されています。
自分の持っているカメラ機材や撮影スタイルに最適な三脚を見つけることができるでしょう。
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キャンペーン期間
- 開始日:2024年10月18日(金)
- 終了日:2025年 1月13日(月)
応募締め切り
- 最終日:2025年1月19日(日)