バンガードの人気カメラバッグ、ヘラルダーの魅力をデザイナーが語るインタビュー記事の後編。
8月21日に発売される日本限定 リミテッドエディションモデル、
そしてオリジナルのヘラルダーのデザインを担当した
バンガードのカメラ部門チーフデザイナー澤田務(さわだ つとむ)がデザインのこだわりをご紹介。
前編はこちらから
2011年の発売以降、ヘラルダーは徐々にファンを獲得し、2013年・2014年と2年連続でバンガードでベストセラーとなり、ヘラルダー38はBCN調べで2014年12月の単月において、「日本で最も売れたショルダーバッグ」となりました。このモデルが広く受け入れられた理由をどう考えていますか?
まず1つは価格が市場・ユーザーのニーズにマッチしたからだと思います。
価格に対して、詰め込んだ機能の満足度も高かったのではと思います。
2つめとして、機材をたくさん持ち出したいと考えているユーザーが想定していた以上に多かったのではないでしょうか。3サイズ展開の中でも一番大きなサイズ38が最も人気があることからもそう言えると思います。
カメラとノートPCを一緒に持ち運ぶ場合、かなりの重量になりますし、撮影時は両手が空いたほうがいい。そのため、多くの方がバックパックを選択されていたと思います。
今までのショルダーバッグは片方の肩から下げるような使い方が主でしたが、 “脱トラディショナル カメラバッグ”がテーマのヘラルダーは、従来のものに比べ素材がソフトで、メッセンジャーバッグをイメージしていることもあり、斜めがけが可能です。そのため、上部のサポートハンドルもバッグの後ろ側に取り付けられています。さらに斜めがけにした際のバッグの揺れを防ぎ、身体により密着させるための3点留めストラップも付属しているので、両手を自由に使うことができます。
3つめとして、すばやく機材を取り出せる機動力。
ヘラルダーはフラップは閉じたまま、カメラ上部のファスナーから直接機材にアクセスできます。
シャッターチャンスを逃せないフォトジャーナリストの「プロの道具」としての機能です。
今回の日本限定リミテッドエディションのサイズが38の理由は?
CP+の会場でたくさんのユーザーの方々と直接お話しする機会があったのですが、思っていた以上にたくさんの機材を持ち出したいと言う方が多かったですね。そういった生の声、そしてこれまでの販売実績においても最も求められているサイズであるということもあり、今回はサイズ38での製作となりました。
リミテッドエディションモデルのこだわりは?
オリジナルのヘラルダー38はブラックのみの展開で、主張せず、ソリッドで精悍、デキる男のイメージ。
それに対してリミテッドエディションは機能はそのままに、「Keep low profile」のコンセプトに対比するようなものにしようと思いました。キーワードは「リラックス」や「抜け感」。
カメラバッグと言うとどうしても黒いものが多いのですが、いい意味での”ゆるさ”や”ほっこり”が感じられる味付けにしたかったのです。
先日撮影したイメージカットのようにジャケット着用時はもちろん、カジュアルな装いでもコーディネートしやすい色になりました。
バンガードと言えば、オレンジの内装というイメージがあるかもしれませんが、このリミテッドエディションモデルは本体色に合わせて、柔らかい印象のベージュを採用しています。取り外し可能な仕切り板はベルベットを使っています。ジッパーや金具はアンティークゴールドを使用しました。同時にアクセントとして、細部にスプリットレザーを使っています。
バッグの底面には底足を3つ配置し、レインカバーはライトグレーにしました。
最後に、リミテッドエディションについて一言。
従来の機能はそのままに、よりこだわりのあるデザインで仕上げました。
今回のこの2色は、限定モデルとしてのこだわりと遊び心を持って作られた自慢の一品です。
オリジナルモデルの数多くの優れた機能性はそのままに、ユーザーの日常・ライフスタイルに溶け込み、気軽に・カジュアルに持てるカメラバッグです。その日の気分やファッション、シーンに合わせて楽しく使っていただける逸品です。